渡辺 順子著 ことばの喜び・絵本の力 すすらん文庫35年の歩みから 全301ページ 萌文社 【ネコポス不可】
絵本の読み聞かせは子どもの心の畑に種を蒔くこと。大人は芽を出させたり花を咲かせたりすることはできません。
子ども自身、長い人生の折々に、一つずつ芽を出し、花を咲かせ、やがて人生の実をつけるのです。
もくじ紹介
第1章 あの子もこの子も本が好き ―
地域を結ぶ家庭文庫の実践から
(1)積極的活動が連帯へ―文庫三年目
(2)子どもの文庫と親の読書会―文庫四年目
(3)こんなにも大事な絵本の読み聞かせ
第2章 育児の基本と絵本の楽しみ
― つくって遊んで学ぶ保健所文庫の実践から
(1)地域の中での育ちあい ― 保健所は私たちの実家
(2)子どもと大人の過ごしやすい場をつくりだす―
保健婦の力 地域の力
(3)人間を育てる胎児期や乳児期のかかわりとは
第3章 子ども時代の豊かさとは ―
すべての子どもが主体となれる環境を
(1)「管理主義教育と父母の意識」を読んで
(2)親育ちが試される
(3)子どもたちの思考力と創造力を育む
(4)誰のための「超早期教育」
(5)新たに始まった0歳児サービスの動き
(6)絵本で子育て・親育ち
第4章 広がり深まる布の絵本の世界
― 人権・環境・平和の願いをこめて
(1)
心と心を結ぶ「布の絵本」
(2)「布の絵本」とは
(3)「布の絵本」の始まりと国内の広がり
(4)「布の絵本」のこれから―国際的動きから
資 料
◆児童憲章
◆子どもの読書活動の推進に関する法律
◆文字・活字文化振興法
◆国際連合憲章〔前文〕
◆世界人権宣言
◆子どもの権利条約
◆ユネスコ公共図書館宣言
著者紹介 渡辺 順子(わたなべ じゅんこ) すずらん文庫主宰
北海道生まれ。法政大学法学部卒業。
東京・練馬区に1973年すずらん文庫開設。1981年障害児文庫(すずらん第二文庫)開設。1984年より保健所文庫開設。1985年よりアジアに文庫を。1990年東京布の絵本連絡会設立。
家庭文庫開設以来35年間、人を結び地域を結ぶグループ育児を応援している。子どもたちに楽しい思い出づくりと心に残る絵本との出会いをとおして「豊かな子ども時代=人間育ち」を願い、親対象に「育児と絵本」「家庭教育と読書」などをテーマに各地で講演を続けている。また大学や自治体職員の要請にも応えており、なかでも「図書館学の乳幼児サービス論」は注目されるところである。
さらに優しさとぬくもりを伝える「布の絵本」づくりでは、国内のみならず世界に向けて、人権・環境・平和の実現の願いをこめた「ひと針の行動」から新しい歴史を創る一歩を、と発信している。
著書『絵本の世界と育児文化の創造』『絵本ひと心の旅』(エイデル研究所)、冊子『「絵本で子育て・親育ち』(社団法人日本家族計画協会)、『布の絵本からのメッセージ』(東京布の絵本連絡会)をはじめ雑誌などに執筆掲載。
やっと10年がかりの著書ができあがりましたのでお知らせいたします。文庫人生35年間の「社会的遺言」のようなものです。子どもたちのために日夜、絵本、児童書、布の絵本などをとおして関わっている、日本中のボランティアの人たちの思いや、もの言えぬ子どもたちの声を代弁したつもりです。これ以上言うことなしです。存分に書かせていただきました。とは言え読者からみますと不十分さがあるかもしれません。でもこれが私の精一杯、超多忙な中でやれた限界です。とにかく一人でも多くの人に、図書館から借りて読んでいただきたい。そして、なによりも布の絵本を含む「絵本の力・図書館の存在」を再確認して、子どもたちに笑顔と喜びの日々を!と願っています。
9月3日は全国の新任図書館長研修の講義を担当しました。「読書の意義と役割」というテーマでしたが、人生のスタートに当たる乳幼児の部分に絞って、パワーポイント48場面構成で語りました。布の絵本もしっかりご紹介できました。私の次が片山善博さん(前 鳥取県知事)の講義でした。
15分の休憩時間でしたが存分に交流、共鳴できました。片山さんのテーマは「まちづくりと図書館」でした。私の部分は「人づくり(育て)と図書館」といえるでしょう。
取り急ぎ近況含め、ご報告申し上げます。皆様にお知らせいただけると嬉しいです。 益々のご活躍を願っています。
すずらん文庫 渡辺順子
(親・祖父母、 文庫・子育て支援者、 布の絵本制作者に読んでいただきたいと願っています。)
〔渡辺順子 プロフィール〕
(略歴)
・北海道に生まれる。法政大学法学部卒業。中、高校の教員免許を取得。育児の傍ら大学院で国際法を聴講。
・1973年 家庭文庫開設(すずらん文庫)。
・1977年 保健師と障害児問題への取り組み開始。
・1981年 障害児文庫開設(すずらん第二文庫)。
・1983年 地域に“グループ育児”の輪を広げると同時に、児童館、保健所に赤ちゃん文庫を開設。
・1990年 保健所文庫、障害児文庫の活動により、伊藤忠記念財団第6回文庫功労賞を受ける。
・1995年 東京都健康づくり都民会議より、平成6年度健康づくり推進功労賞、都知事表彰を受ける。
・1996年 フランス・クラマール図書館見学。
・1997年 IBBY(国際児童図書評議会)主催の障害児図書展で、布の絵本「じどうしゃ くるるん」が最優秀作品5点の内の1点に選ばれる。
・1999年 平成11年度母子保健事業功労賞、厚生大臣表彰を受ける。
・2002年 第4回図書館サポートフォ-ラム賞 受賞。日外アソシエーツ株式会社。
・2002年 子どもの読書活動実践者として、「子ども読書の日」に文部科学大臣賞 個人賞受賞。
・2002年 タイ・バンコク スラム街の図書館と、タイのミャンマー難民キャンプ図書館づくり見学。
・2003年 インド・ニューデリで、布の絵本の理論と実技ワークショップ実施。
・2004年 ミュンヘン国際児童図書館見学。フランクフルト(マインツ)グーテンベルグ博物館見学
・2006年 フランス・ツールーズ中央図書館と障害児サービスの交流。布の絵本と関係資料寄贈。
(活動)
・親・住民を対象とした講師活動(全国各地の保健センター、図書館、公民館、児童館、幼稚園、保育園、子育て支援センター、PTA
、こども文庫、育児グループ)等
・学生と自治体職員を対象とした講師活動(立教大学、専修大学、学芸大学、日本女子大、実践女子大、
都立看護専門学校、愛知県一宮市立中央看護専門学校、都立看護協会、県立保健所、特別区職員研修所、恩賜財団母子愛育会はじめ厚生労働省関係外郭団体主催の研修、都県立図書館の職員研修、日本図書館協会の児童図書館員養成講座、文部科学省等主催の公共図書館「新任館長研修」)等
・「布の絵本」の講習会(図書館、公民館、保健所、看護協会、学校、育児グループ、文庫、インド等)
(著書等)
・「事例・地方自治」第8巻 教育 ほるぷ出版(共著)
・「ナ−スのためのブックガイド」 〜看護婦さんに読んでほしい100 冊の本〜 心の看護研究会編 中央法規 (共著)
・「絵本の世界と育児文化の創造」1994 「絵本・ひと・心の旅」1995 エイデル研究所
・「布の絵本からのメッセージ」東京布の絵本連絡会 企画・発行 1996
・「絵本で子育て・親育ち」2000「ことばのせかい0・1・2」「ひろがる絵本のせかい3・4・5」2004
・布の絵本ビデオ「おはよう おやすみ」「作って遊ぼう 布の絵本」 2006 (社)日本家族計画協会 発行
(現在)
・すずらん文庫主宰 〒177-0041 東京都練馬区石神井町4-15-27 TEL/ FAX 03-3996-8033
・東京布の絵本連絡会代表 ・石神井乳幼児教育の会 代表E―mail : suzuran@dd.iij4u.or.jp
・児童図書館研究会会員・日本病院患者図書館協会会員・全国患者図書サービス連絡会 会員
・日本図書館協会評議員 ・日本国際児童図書評議会 会員 ・国際識字文化センター(ICLC)会員
・全国運動「健やか親子21」の「絵本と出会う・親子ふれあい事業」推進委員 全国保健センター連合会